適正家賃とは(2)

事業者にとっての最適家賃は、建設計画時にハウスメーカーが提案してきたバラ色の事業計画書に記載の家賃です。
 しかしいくらなんでもあんな家賃を前提に事業計画は組めません。
一定の下落率と空室ストレスをかけて計画しました。
しかし、今回提案を受けた家賃は事業2年目にしてはその下落率を上回るものでした。
じゃあ、それって赤字になるの?というと単年度だけで見た場合は利益は確保されています。
しかし長期的見た場合はどうなのか?
それを表現すると図のようになります。

青線は計画時の想定家賃線です。結構ストレスをかけているので下落角度は厳しいです。

赤線は費用線です。やや右肩上がりになっているのは消費税アップなどコスト増でストレスをかけています。28年目にガクンと落ちるのは償却負担から解放されているためです。大家にとっては、ここからがボーナス期間です。

黄線が今回提案を受けた下落率をベースに引き直したものです。

本来ならAポイントで損益分岐点スレスレになり、償却リリースで逃げ切りがはかれるところです。

しかし、黄線ではわずか13年目くらい(Bポイント)で赤字になり償却リリース(Cポイント)もエンジョイできません。

これでは、誰のために商売やっているのかわかりません。

私はかなりストレスをかけていますので、実際はこんなことにはならないとは思います。

しかし、気軽に500円玉何枚かの値引きと考えると長期的には怖いことになるかも知れません。
 以上が大家の事業計画との関係になります。
次回はマーケットプライスとの関係について考えて見たいと思います。